こんにちは。
小学校受験でおなじみの「受験対話総合研究所の平野伸明です。
みなさん、クリスマスはどのように過ごされましたか?
「受験対話」では、生徒さんやお母さま方といっしょに、
早稲田大学の大隈講堂で行われた、「早稲田クリスマスコンサート」に行ってきました。
このコンサートは、「早大ピアノの会」の主催で、
早稲田の地で学んでいる子どもたちが、音楽を通して、異世代交流をするというものでした。
舞台では、早稲田大学の学生さんが、ハイドンやシューベルトを、
早稲田中学校の生徒さんが、ショパンやベートーヴェンを
戸塚第一小学校の1年生の生徒さんが、モーツアルトを
戸塚第一幼稚園の年長さんが、ザイツのコンチェルトなどを演奏してくれました。
子どもたちは、お兄さんやお姉さんたちのピアノやヴァイオリンの演奏を楽しそうに聞いてました。
ベートーヴェン
「受験対話」では、今回のクリスマスコンサートを通して、
「楽しみながらお勉強する」というテーマを設定して、
子どもたちの「記憶」と「お話作り」の勉強方法について、
事前に、お母さま方と打ち合わせをしてきました。
子どもたちが、「楽しいと思ったこと」や「気に入ったこと」を、どのように記憶するとよいのか。
また、どんな準備しておくと、人に聞いてもらえる話になるのか。
お母さま方にも、協力していただこうと考えました。
たとえば、今回のコンサートで、
早稲田高校3年の男の子と、戸塚第一小学校1年生の女の子が、
それぞれベートーヴェンの曲をピアノでひいてくれました。
ベートーヴェンといえば、聴覚が失われたことで、彼の運命は大きく変わりましたね。
文献によると、もともと陽気な性格であったべートーヴェンが、難聴になり、
そのことを、周りの人に気づかれないように、隠そう隠そうとしているうちに、
次第に人間関係に疲れるようになったのだそうです。
そこで、安らぎを求めて、ウィーンの郊外のハイリゲンシュタットに移り住みます。
ここでベートーヴェンは、「ハイリゲンシュタットの遺書」を書きます。
以下は、その中の一部です。
「自分は小さい頃から、人に思いやりと好意をもって接したいと望み、
そう心がけてきた。だが、耳が悪くなると、つい人を避けるようになり、
まわりの人から、偏屈者とみられるようになってしまった。
耳の不自由な人間が、どんな思いをしているのかということを、
少しでもわかってくれさえすれば…」と、書いています。
ベートーヴェンは、孤独の中で暮らしていたのです。
しかし、やがてベートーヴェンは、絶望から立ち上がります。
自分の運命に耐えて、忍んで、復活します。
ベートーヴェンは、自分の運命に従うことこそ、
運命を克服する唯一の手段だと、確信したのだといいます。
彼の芸術を生み出した源には、音楽家にとっては致命的ともいえる
聴覚が失われたこと、その「運命」との闘いがあったのですね。
また、ベートーヴェンが、音楽とともに、最も大切にしたのが、徳行(道徳にかなった行ない)でした。
徳を積む人を、神は見捨てない。
徳行のみが人間を幸せにする、とベートーヴェンは書いています。
この言葉の意味は、聖心女子学院、立教女学院、白百合学園などの
キリスト教の小学校を希望されるお母さんは、考えておくとよいかもしれませんね。
クリスマスの「記憶」と「お話作り」
「受験対話」が、お母さま方に出した課題は、このクリスマスコンサートで、
早稲田の地で学ぶ若者たちの演奏(有名な曲ばかりでした)を聞いたお子さんに、
気に入った曲を、まず選んでもらいます。
そして、その曲の作曲家の「思い」や「人生」について、
お母さまが調べて、子どもにわかる話にして、
CDで曲を聞かせながら、子どもたちに何度もお話をしてあげる、というものでした。
大隈講堂で、お兄さん、お姉さんが演奏してくれた、
その場面を、しっかり、子どもたちの記憶に残す。
そして、調べた作曲家の「情報」もプラスして、
生き生きとしたお話ができるようにする。
年明けの第一回目の授業の日に、「クリスマスの日は、何をしましたか?」と聞いたときに、
子どもたちが、「なに」を「どのように」話してくれるのか、今から、とってもとっても楽しみです。
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