こんにちは。
年中さんから大学卒業までの18年間一貫教育でおなじみの
受験対話総合研究所です。
今回は、幼児のお母さま方に、東京大学の学生たちの
「ことば」の勉強会の様子をご紹介します。
本日、東京大学の学生のための就職準備「日本語」実践講座があり、
休憩時間に、学生たちとおしゃべりを楽しみました。
おしゃべりの材料は、
● 深代惇朗さん(朝日新聞)の昭和49年の文章です。
田中首相の「金脈問題」をめぐる、参院決算委員会での、官僚答弁を
読んでいて、読めば読むほど分からなくなる答弁の構造にあきれ、
その答えの背景にあるものを憶測して、雲の上の不可解さを考えた。
(略)
答弁とは、そんなものだという、国民的あきらめもある。
(略)
佐藤前総理は多弁型答弁だった。が、その言葉をメモし、いざ記事に
しようとすると、何も書くことがなくなっていく。
(略)
形だけはいんぎんで、ていねいで、中身がない。
つまり本当の言葉がないから、せっかくの質問も空中分解してしまうのが常だ。
実のある論戦が展開されるのは、失言、放言をめぐる場合に多いというのは、
皮肉である。放言にしか言葉らしい言葉がないという、政治世界の不毛さが
あらわれている。
いま、参議院選挙の候補者たちが、街頭で演説をしています。
受験対話総合研究所には、速記のできるスタッフが3人いて、
各候補者の演説を、原稿用紙に起こして、学生たちに添削させています。
添削の結果は、昭和49年の深代さんの文章そのものになりました。
国会議員になりたいみなさんも、有権者も、学校の国語教育しか受けてきていま
せんから、こういう内容で、「伝えたつもり」「わかったつもり」になってしまいます。
新しく有権者になるみなさんは、「届いた内容」の中身を、各自、確認して
みてください。
東京大学の学生たちは、デモクラシー社会をつくる人間の「ことば」の能力に
危機感を持って、自らの「ことば」を磨いています。
お母さま方は、選挙演説の中身を、確認していますか?
子どもたちの周りにいる大人で、確認している大人はいますか?
「ことば」を学ぶことは、「子育て」を学ぶことです。