こんにちは。
小学校受験でおなじみの
受験対話総合研究所の平野伸明です。
今年も、早稲田大学の入学試験が始まりました。
受験対話総合研究所では、毎年恒例の
幼児のお母さま方と高校1、2年生による合同の勉強会、
早稲田大学の入学試験問題[現代文・小論文]を解いてみる会をスタートさせました。
この勉強会の目的は、幼児のお母さま方には、
高校生が、普段解いている入試問題を一緒に読んで解いてもらうことで、
日本の国語教育について知ってもらうこと。
また、高校生たちの勉強を、どのように思うのか、
そしてそれをどう表現するのかを試してもらっています。
このような訓練をすることで、家庭でどのような日本語教育を
お子さんのためにしてあげたらよいのかを考えてもらいます。
また、幼児のお母さま方が憧れる私立学校の高校生たちが、
どのように育っているのかを見てもらうことも目的です。
早稲田大学国際教養学部
早稲田大学国際教養学部の入学試験が行われた日、
受験対話総合研究所では、2009年度の国際教養学部の現代文の問題を解いてみました。
文章は、夏目漱石の『道草』からの抜粋でした。
内容は、主人公の健三が、個人の徳よりも、仕事上の手腕で人を評価する義理の父親のことが
嫌いになる場面でした。
この父親は、ある会の管理をしているのですが、委託金に手をつけてしまいます。
そして、そのことを誰にも打ち明けず、保険会社から月々の金を得ることで、
体面を繕うことができたことを喜ぶ人として描かれています。
早稲田大学国際教養学部の問3では、この父親の人格・品性に焦点をあて、
「不徳義漢」…人として守るべき道に背く人物
という選択肢を正解として選ばせる問題を作っていました。
また、文章の後半では、こういう義理の父と健三の不仲が深まるエピソードとして、
「正月の年始のあいさつ」や「年賀状のやり取り」をしなかったことがあげられていました。
問題を解き終わってから、
お母さま方と高校生たちで、今回の文章の中にあった、
「人としての生き方」や「手紙や挨拶」をテーマに、お茶をしながら話し合いました。
盛り上がりましたよ
漱石公園まで散歩をしました
その後、お天気がよくなってきたので、近所の漱石公園まで散歩をしました。
この公園は、明治40年から大正5年まで、
49歳で漱石が亡くなるまで住んでいた場所です。
おもしろかったのが、
この場所で、「木曜会」と呼ばれる、漱石を囲む文学サロンが毎週行われていたそうで、
若い文学者たちが集まる場になっていたのです。
「受験対話総合研究所の勉強会も、
勉強が終わると、お茶をしながらおしゃべりをしているサロン風。
ちょっと、漱石の木曜会に似ていますよね」と、お母さま方の声。
今日は、幼児のお母さま方も、高校生たちも、
夏目漱石の作品から、たくさん学べた、
すてきな一日でした。
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