こんにちは。
小学校受験でおなじみの「受験対話総合研究所の平野伸明です。
志賀直哉の『暗夜行路』の一節に、つぎのような箇所があります。
主人公の時任謙作が、3歳か4歳のころのことです。
屋根の上にあがって遊んでいた。遠くの青い空が見える。
しばらくすると、下の方が、騒がしい。
見ると女中や書生さんたちが、謙作を見あげて口々に叫んでいる。
謙作は、急に怖くなってきた。
見上げる顔の中に、母親の顔があった。その顔色は青白く、目がつりあがっている。
かすれたような声で、母が謙作に静かに呼びかけた。
「謙作や、お前はお利口さんだから、ね、お母さんのいうことをよく聞いて…いいね。
じっとして、そこを動かないでね。いま、車夫が、そこへ行くからね」
やがて、謙作は車夫に抱きかかえられておろされた。
母は、激しく謙作をぶち、ポロポロと涙を流した。
『暗夜行路』の感動的な一場面です。
思いつめた母親の顔、そこには愛情と心配の気持ちが表れています。
母親の愛情が、幼児の謙作の心に、強く刻まれる場面です。
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