こんにちは。
小学校受験でおなじみの受験対話総合研究所の平野伸明です。
いま、早稲田大学のキャンパスで「古本市」が開催されています。
最近、早稲田界隈に古くからあった古本屋さんが、どんどんなくなってしまって、さみしくなりました。
だから毎年、早稲田大学で、この時期に行われる古本市が、とても楽しみなんです。
角川文庫のお話
古本といえば、思い出す話があります。
角川書店の故角川源義氏の話です。
終戦後のある日、吉祥寺界隈を散歩していた角川氏。
ある古本屋さんに立ち寄った。
そこで、一冊のボロボロの本を目にします。
木村健康氏(東大教授)の『教養文献目録改題』という本でした。
角川氏が、その本を手にとり、表紙を開くと、
そこに、「目がつぶれるほど、本が読みたい」と書いてあったそうです。
たぶん、読書好きの学生が、書いたのでしょう。
この本は、戦争中、続々と学徒出陣する若き読書子のために、
木村氏が、出版を思い立ち、ベストセラーになったのだそうです。
この日の感動が、角川氏の心に刻まれ、やがて角川文庫の創刊となった、というお話です。
今は、「目がつぶれるほど、本が読みたい」という若者は少なくなり、
「目がつぶれるほど、メールを打ちたい」という人が多くなりました。
電車の中で、携帯電話の小さな画面に、夢中で文字を打ち込む
大人の姿を見ながら、子どもたちは育ちます。
大人の言うことは聞かないけれど、
大人のやっていることをマネするのが子どもなのですね
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