こんにちは。
小学校受験でおなじみの「受験対話総合研究所の平野伸明です。
日常の風景
私たち大人は、人の話をあまり真剣に聞いてないですよね。
二人で話していても、相手の言葉をあまり気にしていない。
自分の話をすることに、夢中になってしまう。
これは、他人の歌を聞いてない、カラオケボックスでの風景と似ています。
また、テレビに出演してギャラをもらっているプロの表現者たちの話も、
私たちは、ちゃんと聞いてはいませんよね。
たとえば、グルメ番組で、レポーターが「うまい!」「おいしい!」を連発しています。
視聴者は、「どう、うまくて、おいしいのか」、何も気にならないから、
「あれでもプロのレポーターなのですか」と、テレビ局に文句を言いません。
口に含んだ、その味覚を、プロはどうやって放送の中で表現するのかなんて、
誰も、真剣に聞いているわけではないのです。
まぁ、それにしても、一つの形容詞を連発するだけでは、さびしい…。
また、「すごい!」「最高!」という言葉もよく聞きます。
「スゴイ!サイコー!」と言っているレポーターはラクなのでしょうが、
「何が、どう、すごいの?」か「何が、どうして、最高なのか?」
視聴者には、さっぱりわかりません。でも、私たちは、気にならないのです。
なぜでしょうか。それは、私たちが、ちゃんと聞いてないからです。
子育てでも
お母さんの日常生活にも、このようなことが、あるのではないでしょうか。
そのために誤解が起きたり、言ったとか、言わなかったとか、
モメルことがあるでしょう。
相手の言葉を、自分勝手に解釈したり、思い込みで聞いてしまう。
それを、相手の真意だと思い込んでしまう。よくありますよね。
大人が、うわの空で、人の話を聞いていますから、
子どもたちも、真似して、うわの空で、相手の話を聞くようになります。
授業中、先生が話していても、おとなしく聞こうとしない。
自分のことをしゃべりまくる。
子どもたちが、静かにしていても、聞いているのだと油断してはいけません。
子どもたちは、別のことを考えていることが多いのです。
このような話の聞き方が身についてしまうと、いったいどうなるのか。
お母さんたちが、一番心配している、お勉強が苦手な子になってしまうのです。
赤ちゃんは、オギャーオギャーと何も知らずに生れてきます。
そこから、お母さんが教えることを、一つずつ覚えていきます。
教えたつもりのないことまで、覚えてしまいます。
「話の聞き方」もそうですが、「日本語の発音」も同じです。
いま、お母さん方の中に、サ行音のあまい人が増えてきました。
英語のスァ、スィの発音になっていて、日本語のサ、シ、ス、セ、ソの発音ができないのです。
お母さんは、この、あまい日本語の音を、次の世代の日本語の使い手である子どもたちに、何百回、何千回と聞かせているわけです。
だから、きちんと日本語の発音ができない子どもたちが増えています。
大学生になっても、幼児期そのままの発音をする学生の、何と多いことか。
ものを考えるという行為は、「ことば」を使ってするのです。
私たちの場合は、母語である「日本語」を使います。
わが子を「頭のよい子」に育てたいと願っているお母さま方、
お子さんの「日本語」、とくに「話しことば」に心配はありませんか?
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